全盲のイラストレーター
エムナマエさん

【プロフィール】

1948年 東京に生まれる

1970年 慶應義塾大学在学中、イラストレーターとしてプロデビュー

1986年 約60冊の児童図書の制作を手がけるも、医師からの失明宣告の3年後、完全失明 作家に転身 作家処女作で「第18回児童文学新人賞」受賞

1990年 全盲のイラストレーターとして復活

1998年 ニューヨークで個展を開く以降も童話、エッセイ、イラスト、講演会等多方面にて活躍中

 

<主な受賞>

            第18回児童文学新人賞

     障害者アートバンク大賞

     サンリオ美術賞

     日本地方新聞ブロンズ賞グランプリ

     児童文芸家協会賞特別賞

全盲のイラストレーター、エム ナマエさんの耀きの秘密
見えなくても諦めない力で活躍されるイラストレーターをご存じでしょうか。
世界を股にかけて活躍するエム ナマエさんがその人です。
視力を失ったとは思えないイラストと彼自身の魅力に迫ります♪

            「すべての人へ」

               ボクは視力を失ったけれど

    今も絵描きを続けている

 

        夢はきっと叶う

   自分を信じ 自分を諦めなければ

      ほかの誰でもない、自分自身が・・・

イラスト名: 『花のランプ』

【わかさ生活との出逢い】 

今回は、わかさ生活とご縁のあるヴァイオリニストの川畠成道さんから、全盲でありながらイラストレーターとして活躍していらっしゃる エム ナマエさんの魅力をお聞きし、実際にその純真なイラストに惹きつけられたことから、この出逢いが始まりました。

【インタビュー】

画家にとって、見えなくなるということは致命的なことです。

それを乗り越え耀き続けるエム ナマエさんの耀きの秘密を教えていただきたく、インタビューに伺いました。

「どんなときも自分を好きでいること そして自分を諦めないこと」

失明宣告、そして完全失明。その絶望を乗り越えてイラストレーターとして復活する力となったものは何ですか?

 

ボクは画家ですから、見えなくなることへのショックや苦しみはものすごく大きかった。失明と同時に余命を宣告され、人工透析生活を余儀なくされたことから受けたダメージも量り知れないものだった。

ボクが大きな絶望と闘っていた時、当時の家族は、障がい者となったボクを理解しようとしなかった。

でも、ボクは負けなかった。そのとき、ボクだけは決してボクを諦めないと決めた。

ボクがボクを好きでいれば大丈夫だと、自分を信じた。そして自分を信じたからこそ、その情熱を信じ、支えてくれる人との出会いがあった。それが今の家内。彼女はボクと一緒に生きる決意をしてくれた。それは大変な決意だったと思う。

なんだかんだ言われても、彼女には本当に感謝しています。

見えなくなるということは、画家である先生にとっては特に不便なことだと思いますが、以前と考え方の変化はありますか?

ボクも失明を宣告された当時は、見えなくなっても絵描きを続けられるなんて思ってもいなかった。

つらかったし、自分が見えなくなるなんて、どうしてもうそだとしか思えなかった。画家にとって、視力を失うということは生きる力を失うことだと、そのときは思っていた。でも、感動の本質は映像が見えることではない。本当に大事なのはどう見えているかではなく、自分がどう見るか。そのことに、見えなくなってから気づいた。

 

もし今、あのころの目に戻してやると言われても、そうしてくださいとお願いするかどうかわからない。

もちろん、つらいときはある。でも、いいこともある。ボクは見えない人生のおかげで気がついたこともいっぱいあった、かけがえのない出会いもあった。

生きている意味を見つけるのは自分自身。自分が幸せかどうかを決めるのも、自分自身。22歳のときからプロのイラストレーターとしてやってきて、こうして50年近く現役で、ましてや失明した自分が今でも仕事ができることは本当に幸せなこと。

自分の持っている力で貢献できるということが、今の自分にとって一番の幸せ。

障がいの有無にかかわらず、今、不安や苦しみと闘っている人、これから向き合わねばならないかもしれないすべての人へメッセージをお願いします!!

   

「大丈夫!!」

ボクが失明から受けた絶望は、決して小さなものではなかった。

それでも受け入れられるようになったし、大丈夫だと思えるようになったら、確かに大丈夫になった。

どんなことも、飛び込んでみるまでは不安だらけだけど、結局なんとかならないことなんてない。

自分の持っているものを相手に伝えるコミュニケーション力をつけることも大事。そのためには、 たくさん経験を積むこと。ひとつひとつの経験が、必ず前進させてくれる。

そして、今を輝かせること。今を輝かせれば、今にいたる自分の歴史も輝くし、これからも輝く。

失敗して、がっかりすることがあっても、希望を持ち続けることを忘れないで。

だめだと思ってやったらだめになる。ボクは諦めずに夢を持ち続け、やがて大きな夢を実現できました。自分を信じて、自分の道を拓いてください。

運命を開く鍵、それは自分の心にあるのです。

心のサプリメントのようなお話に、たくさんの勇気と希望をいただきました。 

楽しい時間、本当にありがとうございました。

 

                                                         

<インタビュアー:わかさ生活 小林由紀より>

今回エム ナマエさんにお話をお聞かせいただいた私、小林由紀は、やがて見えなくなる障がいを抱えています。

そんな私にとって、見えない世界で耀き続けていらっしゃるエム ナマエさんの世界を感じる旅は、とても貴重な体験となりました。私は今まで、不安に押しつぶされそうになったとき、「大丈夫、大丈夫」と何度も自分につぶやいていました。

でも、呪文のようにその言葉を重ねれば重ねるほど、自分の不安が強調されるばかりでした。大きな苦しみを自らの力で乗り越えてこられたエム ナマエさんの経験に裏打ちされた「大丈夫!」は本当に 心に響き、見えない世界を心の目で見つめ、生き生きと闊歩されるお姿に、私も不安に負けずに歩いていけばきっと大丈夫と思えました。
私たちを迎えてくださったエム ナマエさんの笑顔は、あたたかな愛情と、
真実をほんのり包むユーモアに満ち、描かれるイラストそのもののようでした。

★エム ナマエさんがつかんだ夢~ニューヨークでの奇跡の物語 →コチラ

★エム ナマエさん公式ホームページ →コチラ

                           2017年9月取材)

 

イラスト名: 『共に生きる』

エムナマエさん(右)とインタビュアーのわかさ生活 小林由紀(左)
 

© 2016 一般財団法人 角谷 建耀知 財団